膝の痛みは年齢や運動習慣によって様々な原因がありますが、症状としては、
・ 膝を曲げると痛い
・ 膝を伸ばすと痛い、痛くて伸ばせなない
・ 膝をひねると痛い
・ 正座が出来ない
・ 階段の昇り降りが辛い
・ 曲げ伸ばしは出来るが、歩く時など体重が掛かると痛い
・ 何もしなくてもズキズキする
等があります。痛みが出る場所はお皿の奥や下、膝の内側、裏、外側、と、原因によってさまざまです。
統計によると、中年以降の女性では変形性膝関節症が最も多いです。変形性膝関節症は膝関節の変形や半月板と呼ばれる軟骨がすり減る疾患ですが、大腿骨内顆骨壊死や関節リウマチなども軟骨がすり減って、膝に痛みが発生します。
※膝関節の変形や半月板の損傷は、膝に痛みがない人にもかなり見られることから、こういった状態が必ずしも痛みの原因であるとは言い切れません。
膝の痛みで受診するとよく言われるのが、加齢、肥満、運動不足、の3つです。要因としては考慮するべき点かも知れませんが、年を取ったり、肥満だったり、運動不足の人全員が膝痛を発症しているわけではありませんし、反対に、痩せている人や、日頃から運動をやっている人でも膝の痛みを訴える場合があります。つまり、膝の痛みは、それほど単純な原因で起こるものではない、という事です。
成長期に強度の強い運動をすると(特にバスケットボールやサッカーなど、急激な方向転換、ストップ・アンド・ゴーを繰り返す競技)、ランナー膝(腸脛靭帯炎)、オスグッド・シュラッター病、ジャンパー膝(膝蓋靭帯炎)、と呼ばれる痛みが起こりやすくなります。これらは、筋肉の過度の疲労が引き起こす腱の炎症です。
成長期には、骨の成長が早過ぎて筋肉の伸びが追い付かないケースがあります。すると、筋肉は常に引っ張られたような状況で使用され続けるため、やがて疲労が蓄積してこわばり始め、その筋肉が骨に付着する腱や靭帯に大きな負担が掛かり、炎症を起こします。
医師の方針にもよりますが、通常は手術以外の方法がまず取られます。運動による改善が期待できる場合は、筋力トレーニングを実施しながら、場合によっては痛み止めの服用、ヒアルロン酸の関節内注射などを行って様子をみます。それで痛みが楽になったり、生活に困らないレベルまで回復すれば、経過観察へ移行します。
しかし、こういった保存療法で改善がみられない時は、手術となります。
過度な運動が原因の場合は、消炎剤と安静が必要となります。
膝の痛みには、周辺の筋肉の状態が大きく関連し、特に中年以降に痛みで悩まれている方は、疲労蓄積によって発生するトリガーポイントが原因である場合がかなり多いです。
筋肉にトリガーポイントが出来ると、筋肉そのものに痛みを感じる場合もありますが、しばしば、その筋肉からかなり離れた場所で痛みが発生する場合もあります。太もも前面の筋肉の場合は、膝周りに痛みが発生します。
右図は膝の前側にある内側広筋という筋肉に発生したトリガーポイントを表しています。
トリガーポイントが発生している場所が✖で、そこを押すと痛みを感じる場所が赤いエリアです。押した場所から離れた所で、かなり広範囲に痛みが広がるのがわかります。
当院では、痛みを発生させている筋肉と、関連している筋肉を見つけ出し、痛みの伴わないソフトなやり方で緊張をほぐしてトリガーポイントを鎮めて行きます。
長期間疲労にさらされた筋肉は、充分な血流が維持できないため、1回の施術で痛みが取れても、再発しやすい状態ですので、期間を詰めて集中的に施術する必要があります。
成長期の運動によって発生する炎症性の痛みの場合は、筋膜リリースという技術を使って筋肉の柔軟性を回復させると同時に、炎症部周辺の血流を上げて回復を早めて行きます。
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